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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

 Noros Guitarの製作02

2014.01.09
 
P_32
 

いやいや、何とも時間が空いてしまいました。この野呂さんのギターも完成までに3年越しとなってしまいました。お許し下さい。
今回完成させるべく、多くの頼み事の中から最優先させ、作業を進行させて頂きました。お陰様を持ちましてやっと肩の荷を下ろせそうです。
まずは、ピックガードの製作から再開です。写真が多いので、ページが長くなりそうですが、久しぶりの更新なので宜しくお付き合い願います。

 
 ピックガードの製作
 

野呂さんの希望によると、フロントピックアップがあれば他は要らないとのこと。ボリュームやトーンも無し。そこで回路はシールド直結と云うことになります。無くなったピックアップの場所がボコボコと穴が空いたままでは、ちょっと見苦しいところもあり、ピックガードを新たに作りなおすことにしました。

 
  オリジナルが上に重なっている。穴があいていない新規のピックガードを入手した。
 

オリジナルから外周とネジ穴、ピックアップホールをトレースする。油性のペンを使用。外周はボディーを切り詰めているため、他のデザインを加える余裕がないため、このままいってしまおう。
ポケットは機械を使って開けていくが、これが中々厄介なのでした。

 

穴を開ける作業に入る前に、外周をザックリ切り落とすことにした。デスクへクランプしている。表面に傷がつかないようにマスキングテープで覆っている。おっと、クランプしている添え木はミニチュアギターで使っているメイプル材ではないか。これもできれば傷は付けたくないぞ。

 

無事にカットが終了した。塩化ビニールなんだろうけど、普段扱っているアルミや真鍮と違いザクザクと切れ気持ちがいいじゃないか。

 

開ける穴が大口径でもあり、切れ端でテストしてみることにした。クランプしていても時にドリル刃で回転方向へ負荷が掛かり、穴が曲がってしまうこともある。更には回転数は低速にするのがお決まり。高回転で削ろうとすると摩擦熱で溶け、ドリル刃へ食いついてしまう。

 

テーブルへセットした。センターをメモリングしているところだ。よし!カットするぞっと。

 

しかし、実はほんの些細なことから穴あけをしくじってしまい、これは二枚目となる。トホホピックガードも安くはないぞ〜 些細なこととは、クランプの力が弱すぎたのか切削中に動いてしまった。強く抑えると添え木をしていても凹んでしまうことがあるのを恐れてしまった。塩ビは柔らかいのだ。

 

なんとか無事に終了した。
ここまでくれば後は心配ないだろう。

 

外周を仕上げていく。45度に角度を保ち、ヤスリで丁寧に削りだす。ヤスリがけは若い頃もう亡くなってしまったが、兄貴から教えてもらった。特に丸い部分や角にアールを付けたりするには、独特の振らせ方があるのだ。

 

ピックガードの作業も一段落した。乗っかっているものはスクレーバーだ。仕上げには欠かせない。

後はビス止め用の穴加工が残っているが、まずは終了とする。

 
 配線をする
 

配線パーツを出し準備を始めるが、随分ごちゃごちゃした机だ〜。本業は絵かきだが、工具や機械やらで、部屋は工場と化している。
おっと、配線を侍らす前にすることがあった。導電塗装をしなければならない。

 

全体をマスキングしてスプレーしようと考えたが、筆で塗ってしまった。塗料の粘度が高く、ノズルが詰まりやすいのだ。筆にて問題なし。

 

どうでしょう。導電塗料は、乾くとマット仕上げになる。コントラストもつき引き締まった感じだ。隠れてしまう部分ですが、手を抜かずきっちり仕事はしたい。これが音にも影響する部分なのだ。

 

ハンガーへアース線をハンダ付けし、取り付けの準備を開始するぞ。いよいよ組み上げだ。

 

今回、何処にプラグユニットを付けるか暫く悩みました。市販のジャックにアルミ径35mmで取り付け台を自作し、ボディー後部へ埋め込む方法を思いついた。テレキャスターの部品流用も考えたが、やっぱり自作してしまうのさ。

 

取り出すと、こんな感じ。

 

導電塗装のベースへアースタワーを設け、そこへアースを集中させる。音的には何も要求されていないため、結合部分をしっかり組み上げるだけだ。ブリッジも取り付けた。

 
 
 仕上げる
 

さあ、ピックガードを取り付けるぞ。
ん〜〜なんとも間延びした馬面ではないか!弦を張ればなんとかなるかなあ〜

 

裏の様子だ。スプリングは3本使用。

 

プリングカバーも着けたぞ。さあ、あとはネックを取り付け、弦を張るだけだ

 
 
 完成?
 
取り敢えずは完成した。西日が差し込む屋外で写真を撮ってみた。ここで予想はしていたが問題が浮き彫りした。ボディー側の肉を削いでしまったことからネック側が重くなり、バランスが悪くなってしまった。しかもボディーをツルツルに(マット仕上げ)したことから、身体に寄りつかず非常に弾きにくいギターになってしまったようだ。やはり外観だけに囚われてはいい仕事とは言えない。次回はこれらの問題を解決していくことになりそうです。
 
野呂ギター正面
 
野呂ギター裏面
 
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