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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

新設計からペグの進行状況を報告します。その1

2007.02.01 
 
ペグ
 

実物と同じケース構造を目指し、プレス機までも購入してしまったのは、もう4ヶ月近く前のこと。その間、本業に追われたことや、日用品の修理修繕、さらにはフライングブイの大改造と、なかなか手が付けられない状況がつづいてしまった。

さて、気を取り直し。写真は試作された新しいペグ。(それにしても被写界深度が浅い写真^^;;)ケースに使用したのは0.5mmの真鍮板。ポストやノブ・ウォームギアにあたる部分はスチールを使用。ウォームギア部はノブに叩き込んで連結してある。色々考えたが、この方法が一番ベストと出た。問題になったのは、このケース自体にあった。

 
治具 紙から作られる箱なら簡単に成形できるが、素材の厚みを考慮した箱作りに、こんなに苦労するとは思わなかった。しかも、小さい。まあ軽視しすぎていたのが今になって出てきた訳だ。まずは、材料を正確にカットしなければならない。しかも大量に。これらのことから、素材を挟み込み旋盤でカットする方法を思いついた。写真はその掴み機を製作しているものだが、何のことかまだわからないでしょう。^^;;
ケース用の真鍮板を旋盤にセットし、スリワリスフライヤー(丸ノコみたいなもの)でカットしてしまう。1・2枚程度であればフライスマシンにセットし、削るなり切るなりしてしまうところだが、大量につくらなければならないことから、この方法を思いついた。
 
カット  
写真はカットしているところ。スリワリの厚みは0.5mm。あらかじめケガかれたところを目安にするが、旋盤である故に、ダイヤルを使って正確に送ることもできる。この挟み込む治具を作るだけで、相当時間を費やしてしまった。なにせ、19×25mmの鉄のブロックから削り出すことは、いまの環境では大仕事になる。クイックチェンジツールボックスという長い名前が付いた、所謂刃物台にセットできる構造にした。これらのことから飛躍的に作業がしやすくなったのは言うまでもない。
 
ケース   切り出されたケース素材。確実に曲げがきくように45°の溝が掘られている。もちろん、この溝はカットする前に行われる。様々にテストしてみたが、思うところの寸法で仕上がる微妙なデットラインもわかってきた。あとは正確に同じ行程を繰り返すだけなのだが、これが上手くいかない。束ねていっきにカットすることも考えたが、この溝を掘る行程が無ければ上手くいくのかもしれない。実物の世界では、プレス一発で切断から曲げまでの行程を行ってしまう。プレス機は入手したが、プレス用の金型が作れない訳で、こん
な面倒な方法になってしまう。まだまだ方法は考えられるけど、とにかく次の閃きがあるまではこの方法をとってみることにしましょう。

 

  切り取られたケース素材は、大まかにペンチなどで曲げ、置かれているプレス用の金型に押し込み成形される。この程度の金型であれば手作りできる。6mm厚の鋼材から作ったが、3枚に分割しボルトで連結、押し込んだ後は分解して取り出すことになる。その後、ロー付けをし台座に固定する突起と底面のカットに移る。そのためにカサを大夫多く取ってある。実際に仕上がったときの厚みは2mm程度で、その中にギヤ構造が組み込まれていく。
 
ケース成形   突起の成型をしている。突起の巾は1mm。3mmのビットで底面の直角をだしながらカットするのだが、この箱をどうやってくわえるのか悩んだ。なにせつかみ所がないうえに、角にアールが付いているため垂直に固定するのが特に難しい。写真では、真鍮板にスッポリはまる溝を掘り、瞬間接着剤で接着してしまっている。しかし、この方法も確実だけど量産体制には向いていない。なぜなら後の接着したカスを除去するのが、思われずイライラする作業だからだ。箱にはオイル注入用に0.6mmの穴が開けられているが、こ
れを使って固定できないものか思案してみた。しかし、0.6mm程度では抑えがきかず、切削時の耐圧に耐えられない。しかも一点だけでは・・・そこで削り残される突起部分も使い、垂直を維持しながら3点支持で固定出来ないものかと思案中である。
 
ケース   切削が無事に終了したケース箱。小さい。約4.7×6×2.2mm。本当にこの中にマシンが収まるのか心配になってくる。後は、ウォーム側が収まるU字溝をつければ完成となる。当初は、最初からU字溝を付けていたが、プレスやらロー付けで加熱するやらで、センターも狂ってくるため、この行程は一番最後に回された。これらの作業をより潤滑に運べるように、今現在精密なマイクロバイスを考えている。もちろん売っているものもあるが高額になるため、自作するつもりだ。
 

まだまだ隠された行程が潜んでいる。しかし、一つ々を確実にこなしていきたい。道具もある程度なら揃っているつもりでいても、これらのように作業に合わせて工具を自作しなければならない。ここに苦労が潜んでいるわけで、市販されている工具だけで作業は終わらないのだ。やっていること自体が複雑過ぎるのかもしれないが、機械を含めて工作の難しさを実感する。確かないいものを作ることは、いかに創造を現実化させていくかに勝負所がある。プロならあっさり通り過ぎるところもあろうが、こんな率の悪い仕事はしないだろうと確信できる。趣味の世界、いやアマチュアだからこそ拘りをもって続けられることもあるし、完成した姿を一番見たがっているのは何を隠そう自分なのだから。

 
 
 

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